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日本は今こそ国連常任理事国入りを目指せ!

文/HS政経塾2期卒塾生 服部まさみ

◆問題だらけの国連常任理事国

8月6日、人類史上初めて原爆が投下された広島は、69回目の「原爆の日」を迎えました。

はじめに原爆により尊い命を奪われた数多くの方々の御霊に対し、謹んで哀悼の意を捧げると共に、被爆後遺症に苦しんでおられる皆様に心よりお見舞い申し上げます。

もう一つ私たちが思いを致すべきは、「この国のために命をかけて戦った英霊は今の日本を見て、何を思うのでしょうか。戦後の未来を生きてきた私たちは『立派な国になりました』と胸をはって言えるのでしょうか。」――ということです。

国際平和の維持と国際協力を目的とした組織である国連は、公平中立なものではなく、第二次世界大戦の戦勝国による「戦勝チーム」を永遠に維持する仕組みになっています。

今の常任理事国は、すべて、連合国、勝った側の国々です。戦勝国側の利害があるため、戦後69年目を迎え今も敗戦国である日本とドイツは常任理事国になれないでいます。

日本とドイツはGDP世界第3位と4位の経済大国です。又、日本はアメリカに次いで2番目に多い国連分担金を負担しています。

[分担金(米ドル)](外務省HP参照)
1.米国 6億2120万 2.日本 2億7650万 3.ドイツ 1億8220万 4.フランス 1億4270万 5.イギリス 1億3220万 6.中国 1億3140万 7.イタリア 8.カナダ 9.スペイン 10.ブラジル

日本は中国の約2倍の分担金を払っています。しかし、お金だけ負担して敗戦国扱いするのであれば、戦後69年経っても、賠償金を払い続けているのと同じことではないでしょうか。

世界で起こっている紛争の解決に常任理事国のどこかの国が反対し国連は全く機能していません。

現在もウイグル、チベットで人権弾圧を行なっている中国、世界の警察官を辞めると宣言したアメリカ、日本やドイツより経済規模が小さいイギリス、フランスの5カ国、こうした国々だけが果たして、国際平和の維持を目的とする国連の常任理事国としてふさわしいのでしょうか。

◆国連の常任理事国入りを目指す安倍外交

現在、積極的な外交を続ける安倍首相は、各国首脳に国連の非常任理事国選挙での支援や安保理改革などの協力を要請しています。(7/29 産経)

しかも、安倍首相は来年10月にある非常任理事国入りの選挙当選の先に常任理事国入りも見据えているようです。安倍首相は、カリブ共同体加盟国(14か国)との首脳会合で常任理事国拡大を含めた安保理改革への意欲を表明しています。

同じく、常任理事国を目指すドイツのメルケル首相とは今年4月の会談で安保理改革を推進する考えで一致しました。

又、今月、ブラジルのルセフ大統領とも連携して常任理事国入りを目指すことで一致しました。さらに、9月上旬のインドのモディ首相との会談でも常任理事国拡大に向けた協力を確認する予定です。

日本は4か国と連携を強化し、国際世論を味方につけていくことが今後の鍵を握ります。

◆日本の常任理事国入りを阻む壁

安倍首相の積極的な外交が功を奏していますが、日本の常任理事国入りには、これまで以上に中国が反対運動を展開する可能性が高いと考えられています。2005年にも日本の常任理事国入りに反対して中国で大規模な反日デモが起きました。

当時のマスコミは、小泉元首相の靖国参拝が反日デモの原因だと報じましたが、その本質は、日本の常任理事国入りを辞めさせるために、南京大虐殺や従軍慰安婦などの歴史問題を持ち出して「日本人がいかに非人道的な人種であるか」を宣伝し、国際社会からの信用を失くすように工作したことにあります。

その手法は今も同じです。中国は、2020年までには、アジアの覇権を握るという国家戦略の下に動いているため、日本がアジアのリーダーとして、国際社会で発言力を得ることは何としても阻止したいのです。

また、国際平和の維持と国際協力を目的とした国連の常任理事国の条件として、基本的に、(1)防衛力、(2)核保有、(3)経済力が必要だと考えられています。

日本が世界の経済大国でありながら、常任理事国に入れない最大の理由は、軍事力の行使ができないことにあります。軍事力は、外交を行う担保であり、自分の国を自分で守ることは大国として当たり前のことです。

これができない日本は、他国からみて、「大国としての条件を満たしていない」ことになります。

安倍首相が安保理改革と常任理事国入りを本気で目指すのであれば、集団的自衛権の行使容認だけではなく、「憲法9条の改正」、そしてもう一段踏み込んだ「核保有」の検討までしっかりと視野に入れる必要があります。

◆戦後体制を脱却し世界のリーダー国家へ

日本国内だけでなく、戦勝国中心の国連にも戦後体制が残ったままです。

国連という国際組織そのものが機能するかどうかという課題はまた別にありますが、戦後体制を脱却するためにも、ドイツ、インド、ブラジルと連携して国連改革を進めていく必要があります。

常任理事国入りは日本が大国に相応しい外交力と防衛力を持つための環境整備でもあります。

これからも幸福実現党は、この国が世界に責任をもつリーダー国家になるために自虐史観を払拭し、日本の誇りと自信を取り戻す活動を行って参ります。

服部 まさみ

執筆者:服部 まさみ

HS政経塾2期卒塾生

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