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自由と未来を守るために、日本は台湾を守りぬけ!

文/HS政経塾1期生  兵庫県本部副代表  湊 侑子

◆急速的な中台の接近

1949年の分断以来初めて、2014年2月11日に中国と台湾による公式な会談が開かれました。

中国と台湾は、お互いに相手の主権を認めておらず、今までは民間の窓口を通じて、経済分野における交流を行っていました。しかし、今回の会談は、中台双方の主管官庁トップ(閣僚級)同士によるものであります。

今年秋に中国で開かれるAPEC首脳会議における習近平と馬英九による首脳会談、そしてその後の台湾の香港化、緩やかなる台湾併合を狙う中国にとって、大きな一歩を進めた形となります。

◆中国包囲網を形成するためのTPP参加をうながすアメリカ

一方でアメリカは、台湾が中国に吸収されることを恐れ、中国牽制を狙い台湾のTPP加盟に向けて、台湾当局との調整を加速しています。

元来、馬政権はTPP参加を2020年までの目標としていましたが、最短であれば台湾のTPP合流が2015年中に実現する可能性も出てきています。(2014.2.17 読売『米、台湾加盟へ調整急ぐ』)

中国の反対によって、国際協定に参加するのが難しい台湾にとって、中国が参加しない国際協定であるTPPは、世界に台湾の存在をアピールする千載一遇のチャンスであります。

ただし、北京政府は台湾のTPP参加表明に対して、「台湾のTPP加入と、中台間で締結された両岸経済協力枠組協議(ECFA)は相互排他的なものである」(2012.2.15 Council on Foreign Relations)と警告しています。

台湾のTPP参加諸国への総輸出額は全体の25%を占める一方で、中国・香港へは全体の40%に上るため、台湾は今後難しい選択を迫られるだろうと考えられます。

◆別れるに別れられないカップル? 中国と台湾

現在の台湾・中国の関係は、離れるに離れられないカップルのようです。

女(台湾)が男(中国)に「将来は結婚する(併合を受け入れる)しかないと思うけれど、家庭内暴力だけはやめてね」とお願いしている状態です。

男は「わかってるよ、当たり前じゃないか。香港をみたらいいよ、ちゃんと自由があるだろう?」と答えますが、男の過去の言動を考えると、女が結婚後に悲惨で壮絶な生活を送ることになることは明らかです。

現に、「一国二制度」を導入し、50年間の自治を与えられた香港の自由と民主主義は中国共産党の独裁の手に落ちかけています。

ある香港人は言います。「台湾に頑張ってほしい。中国が香港の自由を尊重するのは台湾問題があるからだ。台湾を併合した後は、香港は好きなようにされるだろう」と。

2011年の調査によれば、台湾の未来について、永遠に現状維持か現状維持後に決定するべきだと考えている人が全体の6割、独立を支持する人は2割にとどまります。(台湾政治大学選挙研究センター調べ)

しかし、大陸に隣接する小さな国が、現状を維持できる可能性はどの時代においても極めて低いものです。命運を賭けた選択をすべき時期が、近づいてきているように感じます。

◆日本が台湾とアジアの平和を守るためにできること

台湾の南側にあるバシー海峡は、日本にとってエネルギーや食糧を運んでくるための命の道であります。中国によってこの海峡を封鎖されることになれば、日本だけでなく、韓国や東南アジア諸国も息の根を止められ、中国の支配下に入らざるを得なくなります。

そのためには、台湾と自由主義国家とのつながりを強め、台湾併合を阻止しなければなりません。

日台間の漁業協定が締結された今、さらなる関係強化を図るために日本がとるべき政策としては、

①日台間の自由貿易協定(FTA)、経済連携協定(EPA)の締結
②TPPの早期締結と、台湾のTPP参加への後押し
③集団的自衛権の容認
④いざというときに台湾を守るための、日本版「台湾関係法」の制定
⑤台湾の国連復帰への後押し、台湾の国家承認

などが考えられます。

今の日本は、急速に軍事費を拡大し、周りの国を脅かしている中国という国が隣にあるにもかかわらずその現実には目をつぶり、妄信的に平和・反核・反軍事力信仰をしている状態にあります。

そろそろ現状を見なければ、第一次世界大戦による甚大な被害への反省と恐怖から、「あらゆる戦争に対して無条件に反対する」という平和主義を唱えた結果、ヒトラーを野放しにしてしまったヨーロッパのようにならないとも限りません。

中国や国内の平和主義者たちの反発は避けられませんが、地理的にも歴史的にも、縁が深い国台湾を守ることは、私たちの自由と未来を守ることに他なりません。

台湾自身に、「野蛮な中国よりも、頼りがいのある日本を」と選んでもらえるような国に、日本自身が変わっていかなければならないと感じています。

みなと 侑子

執筆者:みなと 侑子

HS政経塾1期卒塾生

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