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安倍首相に「消費税増税中止」の最終決断を求める

◆消費増税の是非を問う「集中点検会合」が始まる

政府は26日から、消費税率を2014年4月から予定通り8%へ引き上げるかどうか、最終判断するための集中点検会合を開始しました。(8/27 産経「消費増税、最終判断へ賛否聴取 集中点検会合始まる」)

会合では、6日間にわたり、60人の有識者からヒアリングを行う予定となっています。

安倍首相は、クウェートで記者団に対し、「帰国したあと、報告を受ける。議論をふまえて、最終的に私が決めていく。その判断材料を提供していただく」と述べました。(8/27 FNN)

安倍首相が「集中点検会合」の開催の指示を出したこと自体、「消費増税への迷い」が現れていると言えます。

しかし、同会合の人選を見ると、官僚による「ヤラセ色」が強く、初日(26日)の「総論」の会合に出席した7人のうち、5人が予定通りの増税実施を求めたのに対し、慎重派は2名に過ぎず、財務省の「シナリオ通り」に終わりました。

◆消費増税の是非はこの秋、最大の関心事

安倍首相は早ければ9月中にも消費税増税の是非について決断を示す見込みです。

安倍首相がどう決断するかが、マスコミの今秋の最大の関心事となっています。

このような政策の是非を問う報道は、本来、国政選挙前に行われるべきですが、選挙前は政局報道に終始していたことを残念に思います。

報道の中には増税反対論も散見されますが、どちらかと言えば、財務省の意を汲んだ報道が多い印象です。

財務省主導の典型的な増税必要論の中に、マスコミが指摘しない、おかしな点があります。

◆論理の飛躍が見られる増税論

「増税しなければ国債の信用が低下し、長期金利が上がり、資金調達コストがかさむ企業は設備投資を抑える。運転資金に困る企業も出るだろう」という典型的な増税必要論があります。

「消費税を上げなかった場合は大変な影響がある」と語る麻生財務相はこの急先鋒であります。

しかし、「増税しなければ長期金利が上がる」という根拠が全く示されていません。この論理では、国の借金が1000兆円もあるのに、長期金利が低い水準にある現状を説明できません。

また、今夏、米連邦準備理事会(FRB)が長期国債を大規模に買い入れて長期金利を抑制したように、日銀による長期金利の抑制手法もあるにもかかわらず、「増税による長期金利の抑制」しか語らないのは、なぜでしょうか?

更に、長期金利上昇に伴う「資金調達コストの上昇」を問題にしていますが、では、なぜ、消費増税を実施した場合の「資材調達コストの上昇」には触れないのでしょうか?

まさしく、財務省の主張は論理が破たんしており、「増税のための議論」に過ぎません。

◆IMFに代弁させ、増税誘導する財務省

今夏8月5日、IFM(国際通貨基金)が、日本経済について「予定通り、消費税率を10%まで引き上げる増税を実施すべき。景気への影響は無い」とするレポートを発表しました。

高橋洋一氏は、財務省のIMFへの出向者による、「財務省の息がかかった数字」だと断言しています。(8/8 JCAST「IMF『日本の消費税15%が必要』報告 実はこれ財務省の息がかかった数字なのだ」)

田村秀男氏も産經紙上(8/26経済講座)で、安倍首相が消費税率引き上げについて問うべき相手は、「外部でなく政府内部で虚報・デマを流し続ける官僚たちである」と痛烈に批判をしています。

田村氏は「デマ」とは、「消費税率10%でも財政再建できない」「増税しても税収が増えデフレにならない」「増税しないと国債が暴落する」という3点に尽きると指摘しています。

◆安倍首相の「勇気ある決断」を求める

27日の「集中点検会合」で、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの片岡剛士氏は、景気の現状は「本格回復」ではなく、消費増税すれば、2014年度の実質GDP成長率はゼロ%台と試算、対外経済が悪化した場合、「容易にマイナス成長となる」と危機感を示しました。(8/27 ロイター)

多くの民間調査機関も、消費増税をすれば、ゼロ成長、マイナス成長に陥ると予測しています。これは、幸福実現党が立党以来、主張して来た経済理論そのものです。

幸福実現党は現在、全国47都道府県で大々的な署名活動を展開しており、政府に対して「景気条項」に基づき、国民生活や日本経済に深刻なダメージを与える消費増税を中止するよう強く求めています。⇒http://info.hr-party.jp/2013/1971/

どうか、安倍首相におかれましては、「集中点検会合」の報告に際しては「財務省バイアス」を排除し、国民の声に耳を傾け、国民生活の安寧のために「消費税増税中止」を決断して頂きたく思います。(文責・岐阜県本部 加納有輝彦)

加納 有輝彦

執筆者:加納 有輝彦

岐阜県本部政調会長

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