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今こそ、社会保障制度を見直すとき!――「自助努力」が尊重される社会へ

◆社会保障制度改革の工程表が閣議決定

21日に社会保障制度改革の土台となる「プログラム法案」が閣議決定されました。(8/21 日経「社会保障改革へ プログラム法案骨子を閣議決定 高齢者の負担増求める」)

1年間で使われる社会保障給付にかかる費用が100兆円を超える中、改革は「待ったなし」の状況です。

今回決定された内容は大まかには次の通りです。

・70歳から74歳の窓口負担を1割から2割へ

・介護サービスの利用負担増

・国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に

・待機児童対策に7000億円を支出

市町村の赤字の原因となってきた国民保険の運営を都道府県に移管したり、待機児童対策をきちんと行うなど評価できる点もあります。

◆抜本的改革は先送りへ

しかし、社会保障費の半分を占める年金に関しては、「賦課方式から積立方式への移行」というような抜本的な改革は行われません。

そればかりか、物価の下落に合わせて年金の支給額を減額する「マクロ経済スライドの実施」や受給開始年齢の引き上げは、検討課題となったものの、先送りとなりました。

また、医療・介護に関しても、健康を維持・増進して医療費を削減するような試みは実施されず、大企業や高所得者への負担を増やすだけの施策にとどまりました。

「費用が増えるから、費用を賄うための負担を増やす(増税する)」などということは、誰にでもできる仕事であり、高給を払ってまで、政治家や官僚にしてもらう仕事ではないでしょう。

「安心」を確保しながら、負担を増やさないためには、現在の「常識」を一旦、白紙で見直すことが必要です。

◆「福祉国家」の始まり

現在の社会保障制度は、1973年の「福祉元年」がベースになってできています。

この根底には、「高い税金を使って、国が国民の面倒を見る」という社会主義的思想があります。

1973年以前は、医療費の窓口負担は5割、国民年金の支給額は夫婦二人で1カ月2万円でした。それでも、日本人は普通に暮らしていました。

しかし、その後、「選挙対策」としての社会保障の給付拡大が続き、今では毎月の医療保険、年金保険を払うために、2万円から5万円、一家の大黒柱であれば、7万円から10万円の負担を強いられています。

これだけの負担をしていたら、医療サービスを受けなければ損だと考える人が出てきても不思議はありません。

残念ながら、現行制度は自立している人にとっては負担が重く、国に依存している人にとってはお得な制度となっています。

◆「自助努力」が尊重される社会へ

話題は少しずれますが、法律や条例に違反して、居住スペースを狭くし、賃金を安くする脱法ハウスが摘発され、転居をしなければならない人をテレビが取材していました。

その方は、給与が少なく、他の場所に転居できず、行政に相談に行ったところ、生活保護の申請を勧められましたが、「どうしても自立した生活が送りたい」ということで、生活保護を受けない道を模索していました。

成人した人間であれば、誰でも「一個の人間として自立した生活をおくりたい」と考えるのは当然のことです。

しかし、手厚い社会保障が重い負担となり、本来であれば自立できる人の自立を妨げているのです。

社会保障が充実した結果、年収250万円台の人に対する社会保険料の負担は所得税よりも重くなっています。

仮に社会保障にかかる費用をすべて消費税でまかなおうとすれば、今世紀の半ばには、消費税率は60%を超えます。

今こそ、消費増税をストップし、日本は「自助努力」が尊重される社会を目指すべきです。

そして、「社会保障」の美名のもとに、負担を増加させ、人間の尊厳を奪うような仕組みは改めるべきです。

幸福実現党は、経済成長を実現し、豊かさを増進すると共に、社会保障の負担を軽くして、誰もが自立して「人としての尊厳」を持って生きていける社会を築いて参ります。(文責・HS政経塾1期生 伊藤希望)

伊藤 のぞみ

執筆者:伊藤 のぞみ

HS政経塾1期卒塾生

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