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アメリカの孤立主義に備えよ!

◆安倍首相が「集団的自衛権の行使」容認表明を検討

安倍首相は27日、憲法解釈で禁じているとされてきた「集団的自衛権の行使」容認に向け、「検討を進めていく考えだ」と明言しました。(7/27 産経「首相、アジア首脳に集団的自衛権の検討伝達」)

「集団的自衛権」とは、日本がアメリカ等の同盟国と共同して防衛にあたる権利のことです。

国連に加盟している日本は、国連憲章第によって「集団的自衛の固有の権利」が保障されていますが、これまで政府の公式見解は、憲法9条に鑑み、「集団的自衛権を有しているが、行使は許されない」といういびつな解釈がなされて来ました。

そのため、在日米軍が攻撃されても、日本は米軍を助けることはできないのが現状です。これでは、日米同盟を妨げてしまいます。

幸福実現党は立党以来、日米同盟強化に向け、「集団的自衛権の行使」を認めるよう主張して参りました。安倍首相の勇気ある決断を期待したいと思います。

◆幸福実現党の国防政策の背景

しかしながら、幸福実現党は日米同盟を基軸としつつも、「自分の国は自分で守る」という「自主防衛」強化も訴えております。

その背景には、中国の軍事的台頭のみならず、アメリカが「世界の警察」という使命を放棄しつつあることが指摘されます。

第二次世界対戦後、アメリカは朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、あらゆる地域紛争に介入して来ました。

こういったアメリカの戦争介入には、共産勢力から「帝国主義的」という批判もなされてきました。

しかしながら、アメリカが介入することによって、世界の平和と安定、日本をはじめとする米国の同盟国の平和が保たれてきたことは事実です。

◆「孤立主義」を深めるアメリカ

しかし、近年、アメリカは「自国が平和であれば、世界で紛争が起きたとしても介入しない」という「孤立主義」を強めてきています。

アメリカが「孤立主義」を強めてきた背景には、国内世論の変化があります。

米調査機関ピュー・リサーチ・センターのアンドリュー・コーチ氏が執筆した報告書の中で、最近の米国民は「国益を直接侵さないとみられる国際問題には責任や関心をほとんど抱かない」ことが指摘されています。

アメリカでは、ベトナム戦争時の1974年、ソ連崩壊後の92年と、周期的に「孤立主義」が強まってきましたが、2006年のイラク、アフガニスタンでの長引く戦争から始まった近年の「孤立主義」は過去のものとは違って、長期的であり、深刻であると言われています。

報告書では、米大使ら4人が殺害されたリビア東部ベンガジの米領事館襲撃事件に関心を示した米国民はわずか25%でした。

また、ある調査では、6年前はほぼ同じ割合であった外交政策、国内政策に対する米国民の関心が、今では83%の米国民が「大統領は国内政策に集中すべきだ」と答える一方、外交はわずか6%しか関心がありませんでした。

シリアでは10万人以上の人が亡くなっているにも関わらず、アメリカ政府は介入を決定していません。その背景には、半数以上の国民がシリアへの介入を望んでいないということがあります。

アメリカ政府の外交政策は国内世論の影響を強く受けることを私たちは知らなくてはなりません。

◆憲法9条を改正し、自主防衛強化を進めよ!

今後、アメリカ世論が国内政策を更に重視するようになれば、極東や東南アジアで有事が起きたとしてもアメリカが介入しないことも考えられます。

また、米国防総省は、今後10年で4870億ドル(約48兆円)の歳出削減が義務づけられており、在日米軍は日本から徐々に撤退する方向で動いています。

中国・北朝鮮が軍備拡張を進める中、米国の「孤立主義」が進めば、日本は窮地に立たされることは避けられません。

幸福実現党は日米同盟強化を訴えていますが、たとえアメリカからの助力が期待できない事態に至っても、自国で、自国民を守ることができる「自主防衛」体制を築くべきです。

そのためにも、安倍首相は集団的自衛権の行使を合法とするのみならず、早急に憲法9条改正に取り掛かる必要があります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ)

伊藤 のぞみ

執筆者:伊藤 のぞみ

HS政経塾1期卒塾生

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