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「大川談話」解題――先の大戦をどう見るか?

◆先の大戦をどう見るか?

昨日のHRPニュースファイル「『大川談話』発表!―今こそ、『河野談話』『村山談話』の白紙撤回を!」では、大川談話発表に至った経緯について述べましたが、「大川談話」の核心部分には、下記のように「先の大戦をどう見るか」という自虐史観払拭に向けた「真実の歴史認識」があります。

【先の大東亜戦争は、欧米列強から、アジアの植民地を解放し、白人優位の人種差別政策を打ち砕くとともに、わが国の正当な自衛権の行使としてなされたものである。】

すなわち、先の大戦は、東京裁判史観にある「日本による侵略戦争」ではなく、(1)欧米列強からのアジア植民地の開放、(2)白人優位の人種差別政策の打破、(3)自衛権の行使としての戦争という3つの目的があったと総括されています。今回は、この3点について解説を加えさせて頂きます。

◆(1)欧米列強からのアジア植民地の開放

幸福実現党・大川隆法総裁は「日本は先の戦争を『大東亜戦争』と称し、『アジアにある欧米列強の植民地を解放する』という理想を掲げていました。それは日本神道の神々から出ていたものであり、戦争が終わった段階で確かに達成されました」と述べています。(大川隆法著『奇跡の法』幸福の科学出版,2001)

「大東亜戦争によって欧米列強による植民地支配が終わった」というのは、世界の歴史学者が認める歴史的真実です。

例えば、英国サッセックス大学のクリストファー・ソーン教授は著書『太平洋戦争とは何だったのか』(草思社,2005)で、次のように述べています。

・「日本は敗北したとはいえ、アジアにおける西欧帝国主義の終焉を早めた。」

・「極東における西欧諸国の略奪的な帝国主義的存在と、日本がアジアの近隣地域を本質的に防衛のために領有するのとでは、両者ははっきりと区別すべきものである」

実際、大東亜戦争終了後、アジアの国々はフィリピン(1946年)、インド(1947年)、ビルマ(1948年)、インドネシア(1949年)、ラオス(1953年)、カンボジア(1953年)、ベトナム(1954年)、マレーシア(1957年)、シンガポール(1963年)など、次々と欧米列強から独立を果たしています。(参照:7/26 Liberty Web「河野・村山談話は無効である 歴史問題を永遠に葬り去る 大川談話ー私案― -2-」)

それは、タイのククリット・プラモード元首相が「日本のお陰でアジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体をそこなったが生まれた子供はすくすくと育っている」と述べている通りです。

◆(2)白人優位の人種差別政策の打破

日本は、大戦前から「白人優位の人種差別政策の撤廃」を訴えて来ました。

国際連盟設立にあたっても、日本はその規約に「人種差別の撤廃」「人種平等の原則」条項を入れるよう、強く主張して来ました。

世界の有色人種はそうした日本に期待を抱き、全米黒人新聞協会は「われわれ(米国の)黒人は講和会議の席上で『人種問題』について激しい議論を戦わせている日本に、最大の敬意を払うものである」というコメントを発表しています。

しかし、日本の提案は否決され、大戦終決後の1948年、国際連合で「世界人権宣言」において、ようやく「人種差別撤廃」が採決されました。

ここに至るには、大東亜戦争において、アジア植民地から欧米列強を排斥した日本の奮闘があったことは否定できません。

このことについて、ドイツの歴史教科書には下記のように記されています。(2001/5/13 産経「教科書が教えている歴史(8)」より)

・「日本のナショナリストや軍国主義者は、黄色人種を白人の支配から解放するために戦争を遂行したと主張した。この中で自分たちの利害を包み隠しているが、真実をついた面もある。
ベトナムやインドネシア、インドなど、欧州諸国に支配されていた植民地諸国の国民による独立運動は、日本(初戦)の勝利によって加速された。」

インドの元ネール首相の妹のパンデイット夫人は、1945年に訪米した際に、「太平洋戦争は本質的には人種戦争だ」と語りましたが、先の大戦の中核には「人種差別との戦い」という大義があったのです。

◆(3)日本の自衛のための戦争

先の大戦は、日本の安全保障と「自存自衛」のための戦争でした。

長期スパンで日本の近現代史を俯瞰すれば、1853年に浦賀沖にアメリカ合衆国のペリー率いるアメリカ海軍東インド艦隊が来航以来、大東亜戦争終決に至るまでの歴史は、日本にとって「欧米列強から日本を守り抜くための百年」だったと総括できます。

特に、日米開戦に当っては、アメリカはABCD包囲網を形成し、日本への石油禁輸など、「経済戦争」をしかけて来ました。これはアメリカによる事実上の「先制攻撃」と捉えることもできます。

このことについて、イギリスのデイリー・メイル紙は下記の通り述べています。

・「日本が戦争を始めた理由は、フィリピンを初めとする東洋へのアメリカの進出を、いかに日本が恐怖に感じたかを理解しなければ分からないだろう。」

・「また1941年に、アメリカが日本へのいっさいの石油資源の供給を絶った時の日本の感じた深刻さも無視することはできないであろう。そう考えてみれば、真珠湾攻撃を一方的に卑劣だと非難することはあたらない。」

先の大戦が「日本による侵略戦争」でなかったことについては、戦後、連合国軍総司令官であったマッカーサー氏自身が、日本が大東亜戦争に突入していった原因は「主として自衛のために迫られてのことだった」と証言している通りです。(1951/5/3 米上院軍事・外交合同委員会)

◆今こそ、日本の誇りを取り戻す時

以上、大東亜戦争について、(1)欧米列強からのアジア植民地の開放、(2)白人優位の人種差別政策の打破、(3)日本の自衛のための戦争という視点から、「真実の歴史認識」についてお伝え致しました。

「大川談話」は大東亜戦争について、「政府として今一歩力及ばず、原爆を使用したアメリカ合衆国に敗れはしたものの、アジアの同胞を解放するための聖戦として、日本の神々の熱き思いの一部を実現せしものと考える。」と述べています。

「大川談話―私案―」を契機として、今こそ、安倍首相は、先の大戦は「日本による侵略戦争ではなく、自衛権の行使としてなされたものである」ことを闡明(せんめい)にすべきです。(文責・政務調査会長 黒川白雲)

黒川 白雲

執筆者:黒川 白雲

前・政務調査会長

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