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消費税増税中止で設備投資に火を点けろ!

1~3月期GDP、実質で年率3.5%増

内閣府は16日、1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値を発表しました。物価の変動を除いた実質成長率は年率換算で3.5%。項目別に見ると、個人消費が0.9%、輸出は3.8%増加しました。(5/16 読売「1~3月期GDP、実質で年率3.5%増」)

甘利経済再生担当大臣は16日の会見で「安倍政権の経済政策の効果が表れ始めている」として、「消費税増税への環境が整ってきた」という見解を示しています。

しかし、日本経済は消費税増税に耐えられるほど、回復しているわけではありません。

物価変動の程度を表すGDPデフレーターは、国内総生産が-0.5%と、前年同期(-0.1%)よりもマイナス幅が拡大しており、デフレ脱却は予断を許さない状況にあります。(5/16 ブルームバーグ「日本の13年1-3月期GDPデフレーター」)

3.5%という実質成長率が出た要因としては、金融緩和効果というよりも、「円安」効果によって自動車産業など、アメリカ向けの輸出が伸びたことが大きく貢献していたことが分かっています。

住宅投資は1.9%増と4四半期連続の増加となり、堅調ですが、復興需要や消費増税を意識した「駆け込み需要」等の特殊要因が貢献したものと見られています。

企業の設備投資は減少

特に問題なことは、企業による設備投資が0.7%減少と5四半期連続でマイナスとなっている点です。

アベノミクスは輸出増と個人消費増をもたらしましたが、中長期の経済成長に繋がる「設備投資」にはまだ表れていません。

本来であれば、円安が進んでいるので、海外に移転した企業が日本に戻ってくる動きがあってもおかしくありませんが、日経新聞が実施したアンケートによると62.7%の企業が「生産の現地化、海外生産の流れは変えない」と回答しています。(5/11 日経「円安でも海外生産『拡大』 経営者アンケート」)

企業の設備投資は家計支出に次いで、民間経済の大部分を占めています。家計消費が経済のメインエンジンであるとすれば、設備投資は補助エンジンであると言えます。

経済を牽引する「設備投資」が増加していかない状況では、景気回復が本物であると言うことはできません。

企業は予想収益率と金利を比較して、予想収益率が高ければ投資を行うと考えられています。

予想収益率が低くなれば、企業は投資を控えるので、投資が減っているということは「予想収益率が低い」ことを意味しています。

消費増税が企業の設備投資を鈍らせる

個人消費が伸びているにもかかわらず、企業が低い収益を予想している理由の一つに「消費税増税」があります。

本欄の「英国の増税失敗に学べ!――消費増税はアベノミクス失敗を招く」でも触れたように、英国は2011年に付加価値税の税率を上げたことによって、景気後退が起こり、リーマン・ショック後に行われた3.7倍の量的緩和でも景気を回復することが出来ませんでした。

消費税が増税されれば、消費が落ち込み、収益率が下がると企業が予想するのは当然のことです。

また、イギリスの付加価値税の増税からは「増税しても税収が伸びない」ことも実証されています。

イギリスの付加価値税増税は2011年の1月に行われましたが、その前年、付加価値税は前年比で30%増えましたが、増税後の2011年7月には前年比マイナス30%まで、付加価値税の税収は減少しました。

これは幸福実現党が「増税しても税収が増えない」と訴えていることの実証です。

減少している設備投資を増やすためには、消費税増税の中止が不可欠です。

幸福実現党は今回の参院選で消費税増税の是非を問い、国民の皆さまの支持を得て消費増税を中止に追い込み、「本物の景気回復」を実現して参ります。(幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤のぞみ)

伊藤 のぞみ

執筆者:伊藤 のぞみ

HS政経塾1期卒塾生

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