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中国の領海・領空侵犯を止めるには

12月24日、中国の国家海洋局のプロペラ機が尖閣諸島領空に再び接近しました。

同日付の「環球時報」(人民日報傘下の国際情報紙)は「中国の飛行機が墜落するようなことがあれば、日本は必ず報復されるだろう」という題の社説で、中国の飛行機に対し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したことを「危険なゲーム」と批判しています。(12/25 産経「【尖閣国有化】中国側、共同支配を提案 安倍氏に圧力)」

しかし、実際に起きたことを見ると、スクランブルは「危険なゲーム」ではなく、「領空を守るために必要な措置」であることが分かります。

中国のプロペラ機の接近に対し、航空自衛隊がスクランブルをかけたことで、中国機は北側に針路を変え中国に帰っていきました。(参考:12/25 読売「中国機また尖閣接近、領空侵犯はせず」)

領海侵犯を繰り返し、さらなる領空侵犯を狙っている中国に対しては、巡視船や空中警戒官制機の巡回回数を増やすことで、中国の領海侵犯、領空侵犯を未然に防いでいくことが大切です。

帝京大学の志方俊之教授は予算制約によって空中警戒管制機(AWACS)の巡回頻度が減らされていることが、尖閣諸島の領空侵犯をまねいた一因になっていると指摘しています。(12/25 産経【正論】「新政権は空からの脅威に備えよ」)

今年、中国がフィリピンに行ってきたことをみても、日本が警戒・監視を怠れば、それに乗じて尖閣諸島の実行支配をたくらむことは明白です。

これまでスカボロー礁は、フィリピンに駐留していた米軍が爆撃や射撃の訓練に利用、フィリピンが灯台を建設するなど実行支配をしてきました。

しかし、今年の4月、フィリピン海軍が中国の漁船を取り締まろうとしたところ、中国の海洋監視船が阻止し、台風の接近でフィリピンの沿岸警備隊が撤収したため、スカボロー礁周辺の海域に中国の海洋監視船が居座る状況が続いています。

現在は中国の監視船がいるため、フィリピンの漁船はスカボロー礁に近づくことは出来ません。漁師の方の収入は三分の一以下に減っていて廃業せざるを得ない状態です。

中国と領土問題を抱えている国はフィリピンだけにとどまりません。昨年、2011年はベトナムとの間で緊張関係が続きました。

2011年の6月には、中国軍艦艇がベトナムの漁船を銃撃し、海洋監視船はベトナムの石油探査船の調査用ケーブルを切断しています。

自国よりも軍事力が弱い国を力で威嚇し、国際社会の非難をよそに、中国は次々と既成事実を積み上げています。

このような状況に対し、フィリピンのデルロサリオ外相は、日本の憲法9条改正を「強く歓迎する」と語っています。(12/10 フィナンシャル・タイムズ)

「力が正義である」と考える中国に対し、日本が防衛軍を持つことは、日本の発言力が増すことを意味しています。

幸福実現党は中国の恐喝に屈せず、日本の防衛力を強化し、中国に国際ルールの順守を求めて参ります。
(文責・HS政経塾1期生、幸福実現党 東京都第1区支部長 伊藤希望)

伊藤 のぞみ

執筆者:伊藤 のぞみ

HS政経塾1期卒塾生

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