このエントリーをはてなブックマークに追加

日本は第二の高度経済成長を目指せ!――産業革命で経済復活を

先の総選挙で自民党が大勝し、次期首相である安倍総裁による積極的な金融緩和を中心とした経済政策「アベノミクス」への期待が市場でも高まってきており、株価や為替レートにも如実に反映されて来ています。

日経平均株価は一時、八か月半ぶりに一万円台を回復し、計10兆円の為替介入でもほとんど動かなかった為替レートも大幅に円安に振れており、景気回復の兆しが見えつつあると言えます。

自民・安倍総裁は日銀との政策アコードを結んでの物価目標2%のインフレ・ターゲットの導入を本格化させており、日銀も今までのインフレファイター路線を再考し始めているようです。

しかし、政府・日銀は物価目標に対して明確なコミットメントすることで市場の信用を得て、インフレ期待を起こすまで一歩も妥協してはなりません。

日本の「失われた20年」の元凶である90年代から続く長引くデフレに、今こそ速やかに終止符を打ち、日本の経済を復活させなければなりません。

しかし、景気回復を実現し経済が成長路線に乗ったとしても、今のままでは増税が待ち構えています。

景気弾力条項では、名目3%、実質2%成長が増税の前提条件となっております。

安部総裁は来年4~6月期の経済成長率によっては消費増税の見送りをすることを示唆したとされていますが、増税は「見送り」ではなく「撤廃」まで追い込まなければいけません。

実際、96年、日本経済は実質成長2.7%とバブル崩壊後では最高の成長率を実現していましたが、その翌年97年の増税によって一気に本格的なデフレ不況に陥ってしまいました。

結果、日本有数の金融機関が次々に倒産し、自殺者も3万人の大台に乗ってしまいました。「経済成長したから増税してもいい」という安易な考えは危険極まりないと言わざるをえません。

他の先進諸国はどこも年平均4%も経済成長しているにもかかわらず、それにも満たない成長率で増税をかけるというのは愚策以外の何ものでもありません。

やるべきことは、経済成長に冷や水をかけるような増税ではなく、さらなる高度成長を目指すための策を打つことではないでしょうか。

そもそも現在日本にとって重大な懸案事項となっている中国は、日本を追い抜いて世界第二位のGDPを誇るようになってから、居丈高になって日本を脅してくるようになりました。

経済力の低下は他国から「なめられる」原因となってしまいます。経済力は国防上の抑止力にもなるのです。

であるならば、日本はもう一度世界第二位のGDPを奪還するための国家戦略、高度成長戦略を打ち出さなければなりません。

日本の潜在的な経済力をもってすれば、他の先進諸国並みの年4%成長はおろか、年7~8%成長もまだまだ実現可能でしょう。

日本はこの20年間一貫して世界最大の債権国であり、個人金融資産は1500兆円も眠っています。

このような日本に眠れる莫大な富の力を生かし動かしていくためには、「新たな産業革命を日本で起こす」という国家としての強い意志と戦略、グランドデザインが必要です。

新たな産業プロジェクトを政治家が明確に示し、予算を大胆につけることで、民間の資金需要も創造され、投資も活発化していきます。

航空宇宙産業、防衛産業、海洋開発、交通革命、新エネルギー、新素材、医療など日本の産業フロンティア、「金のなる木」はまだまだ存在します。

かつて19世紀初頭のイギリスが、ジェームズ・ワットの蒸気機関の発明を契機として、物流革命・産業革命を起こし、「世界の工場」と言われる繁栄の大国に成長したように、今こそ日本も新・産業革命、交通革命を日本初で起こすことで、高度成長を実現し、世界の牽引車、リーダー国家となる決意を固めなければなりません。

今、ヨーロッパもアメリカも経済的に衰退し、中国もバブル崩壊に直面している中で、世界経済を支える力を持つのは日本だけです。

日本を守るためにも、世界を繁栄させるためにも、政治家はしみったれた消費増税法案を撤廃し、新たな産業革命による高度成長の実現を断行すべきです。
(文責・HS政経塾2期生・鈴木純一郎)

鈴木 純一郎

執筆者:鈴木 純一郎

HS政経塾2期卒塾生

page top