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「中国、尖閣海域で日本船を駆逐」報道に反論する

幸福実現党の加藤文康です。先月10月29~30日に、尖閣諸島海域に個人的に行ってきましたので、今回はその報告を致します。

私はユートピア活動推進館で救国のための祈願を担当していますが、「四方(よも)の海立ち騒ぐとも神の国は守らるべし」という「中華帝国主義粉砕祈願」の経文を読誦する度に眼に浮かぶのが、あの尖閣諸島でありました。

その島影を一度は眼に焼きつけ、祈願のパワーとしたい、また現地で国土防衛のための祈りも捧げたい、そのように強く感じたのが今回の船旅の理由です。

10月30日午前7時、魚釣島間近の海域で、戦時中に亡くなった方の供養と、国土防衛の祈りを無事に捧げることが出来ました。ご支援頂いた海上保安庁の皆さんに、心より感謝申し上げます。

ちなみに、間近で見た尖閣海域は驚くほど豊富な漁場で、60~70cm級の鯛や、時には1m以上のマグロが次々と釣れました。

一方、それほど豊かな海域なのに、日本の漁船の姿が見受けられないのは極めて残念かつ異常な光景でありました。

というのも、同海域には最近、より多数の中国船が、より頻繁に侵入して、より長時間居座るようになっており、もはや日本の民間船が安心して航行できる状態ではなくなっていたのです。

私が魚釣島の沖合い約2kmにいた10月30日午前11時時点も、同島を取り囲むように中国の海洋巡視船「海監」(実態は武器を積んでおり、軍艦と同じ)4隻が居座っており、その内の1隻が正午頃、私たちの船に急接近するという事態がありました。

一瞬、緊迫した空気が流れたのも事実です。

これに関して、中国・国家海洋局は10月30日付のウェブサイトで「中国領海で不法な活動をしていた日本の船を領海から駆逐した」と吹聴しています。(11/3 日経新聞朝刊)

しかし、この海域は日本側が現在もしっかり実効支配しており、私たちは安心して釣りを楽しんだ後、予定通り正午に帰路に就いただけであり、海上保安庁のコメント同様、中国船に駆逐された事実など全くないことを明言しておきたいと思います。

ただ、あらゆる手段を通じて揺さぶりをかけてくる、中国側のやり口を垣間見た感じがして、思わず苦笑してしまいました。

ちなみに、私が現地でお会いした海上保安庁の皆さんは、過酷な環境下、実に頑張っておられました。小さなゴムボートで大海原を巡回する若い隊員の姿を見た時など、思わず涙が流れました。

されど、危機が近づいているのも事実です。圧倒的な力を持つ中国艦船と本格的に衝突したら、海上保安庁の装備ではとても太刀打ちはできないからです。

中国では11月8日から第18回党大会が開催され、いよいよ習近平体制がスタートします。

新総書記が自己の権力基盤確立と権威高揚のために、尖閣諸島を一気に攻略しないとも限りません。

神秘的なまでに美しく資源も豊富で、国防上の生命線でもある尖閣諸島を中国の侵略から守るためには、自衛隊法第76条の「防衛出動」が不可欠であり、有事の際には首相による自衛隊への防衛出動命令を絶対に躊躇してはいけない、と改めて痛感した今回の船旅でした。
(幸福実現党研修局長・加藤文康)

加藤 文康

執筆者:加藤 文康

幸福実現党総務会長

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