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「全ての道は増税に通ずる」――思考停止状態の野田首相

民主党の仙谷政調会長代行は1日開かれた衆議院予算委員会で、1月6日のニューヨークタイムズのオピニオン欄の寄稿記事を取り上げました。

同記事は、日本と米国の過去20年間の経常収支の推移や為替などの数値を比較し、日本を再評価する論調となっています。

バブル以降の日本の「失われた20年」は、愚かしい例として繰り返し取り上げられてきましたが、それは根拠のない神話に過ぎないのではないかという内容です。以下、コラムの論点をいくつかご紹介致します。

・日本の経常収支は、1989年630億ドルから2010年1,960億ドルに黒字が伸びた。一方、米国は同期間、▲990億ドルから▲4,710億ドルまで赤字が増えている。

・1989年1ドル144円から2011年77円と87%円高になった。英ポンドは同期間1ポンド232円から120円と94%円高になった。“Strong Yen”、円が強くなっている。

・最速のインターネット・サービスが享受できる世界の50都市中、日本の都市は38もあったのに対して、アメリカの都市はたった3つだけ。

・500フィート(50~60階)以上の高層ビルは、「失われた20年」開始以降、81棟が東京で建設されたのに対して、ニューヨークでは64棟、シカゴでは48棟、ロサンゼルスでは7棟だけ。

・日本は不況をものともせず、洗練された産業基盤を作り、日本のメーカーは製造業向けの製品供給者へとイノベーションした。消費者の目にあまり触れないものだが、これらがなければ、今の世界経済は成り立たない。

このように、「失われた20年」という話が誤っているのではないか。日本は「反面教師」ではなく、「見習うべき国」として引き合いに出されるべきではないか、というのが記事の内容です。

仙谷氏は、この記事を紹介し、野田総理の見解を求めました。

これに対して、野田総理は「(ニューヨークタイムズの記事に)面映い感じがする」と述べ、悲観的になり過ぎてはいけないと言いつつ、昨年7/30発売の英誌エコノミストの方が印象が強いと述べました。

その記事は「進む日本化――借金、デフォルト(債務不履行)、マヒし始めた欧米の政治」と題され、米オバマ大統領とドイツのメルケル首相の和服姿の似顔絵で話題になりました。「日本化」はここでは悪い意味で使われています。

野田首相は、ニューヨークタイムズの代わりにこちらを取り上げ、「日本が決断しないで、物事を先送りする象徴になっている」として、「社会保障と税の一体改革」などの難題を先送りせず、「決断し、解決していくことを目指していくべき」と増税への決意をアピールしました。

日本を評価する「ニューヨークタイムズ」の記事の見解を求められ、日本を揶揄した「エコノミスト」の記事を引用し、「増税への決意」をアピールするとは、野田首相の「増税一直線」の姿勢には、あきれてものが言えません。

日本の経常収支の黒字を見ただけでも、菅首相当時より盛んに喧伝された「日本は財政赤字でギリシャのように破綻する」という話が、いかに間違っていることがわかります。(ギリシャは経常収支が赤字に陥り、国債の消化を海外資金に頼って来たことが破綻の前提にありました。)

日本の民間企業は、デフレ経済の中でも創意工夫をし、非常に優秀であり、政府が財政政策、金融政策を誤らなけらば、もっともっと経済成長できていたはずであり、これからもそうであります。

今、必要なのは、断じて増税ではなく、減税、規制緩和等の経済活動を活発化させる自由経済の確立であり、経済成長戦略であります。

要は、リーダーの「意志」「決意」こそが問題なのです。幸福実現党のついき秀学党首は「新・所得倍増計画」を掲げ、名目値で10年で所得を倍増させる「未来ビジョン」を打ち出しています。

「増税一直線」で思考停止し、「下山の思想」で下降していくことしか考えられない野田首相には即刻、退陣頂くしかありません。
(文責・加納有輝彦)

加納 有輝彦

執筆者:加納 有輝彦

岐阜県本部政調会長

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