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蓮舫議員「日本の若者への歴史教育が足りない」

「日本は歴史上において中国を侵略した歴史がある。これは非常に痛ましい事実。しかし一部の日本人はこれを認めていない。日本の内閣メンバーはたまに中国の人たちを傷つける発言をしている。学校にしても家庭にしても、日本の若者への歴史に関する教育が足りないと思う。日中戦争のころの歴史に関して、多くの学校は自習という形をとっている」

今月21日に北京で開催された「第7回北京―東京フォーラム」(中国日報社と日本のNPOが主催)での蓮舫首相補佐官の発言です。

会議には、中日両国の政治界、ビジネス界、学術界、メディア界など各界から約600人が出席していました。

台湾人の父と日本人の母を持つ日本の議員で唯一の中国系(父親が台湾人)の女性議員ということで、ただでさえ中国メディアの注目を集めただけでなく、内閣府特命担当大臣を経て、国民啓蒙宣伝大臣(消費者及び食品安全担当)を歴任した「元大臣」の今回の発言は、外交上、日本の国益を大きく損ないかねず、決して看過できないものがあります。

何よりも、昭和12(1937)年7月7日の「廬溝橋事件」から、昭和20年8月15日の終戦まで続いた「日中戦争」が、日本の侵略戦争であったかどうかは、その立場によって様々な歴史的見解があり、歴史的にも、外交的にもまだ確定していない問題です。

中国はこの戦争を日本軍国主義による「中国侵略」だと主張し、日本に対して、繰り返し「過去の戦争責任」の追求と「正しい歴史認識」を強要してきました(靖国神社問題、教科書問題などがその典型です)。

その一方で、日本を戦後占領したマッカーサーが昭和26(1951)年5月、アメリカ上院の軍事外交合同委員会で証言したように、先の大戦は日本の侵略戦争ではなく、「自衛戦争」であったとする有力な見方も存在しています。歴史は多面的に見ていくことが大切です。

こうした歴史認識に関する問題は「国益」に深く関わるものであり、日本国民を代表する、しかも元大臣である現職の与党議員が、公の場で軽々しく発言すべきものではないはずです。

百歩譲って、もし蓮舫氏がそうした「自虐史観」を自らの信念として、普段から日本国民に向かって発言し、主張してきたのなら、一政治家の政治信条の発露として、許されるかもしれません。

しかし、蓮舫氏がそうした発言を国内で、日本国民に向かってしたという事実を寡聞にして知りません。

普段は日本国内で、日本国民に向かって言えない、そうした発言を、なにゆえに外国で、外国人に向かって発言するのでしょうか?

それが日本の国益に関わることであることを知っての上での発言しょうか?

そうした政治家は歴史上、「売国政治家」と言われています。

もしそうでないとすれば、2009年に「事業仕分け人」として、スーパーコンピュータの予算を削減するにあたって、「世界一になる理由は何があるんでしょうか?2位じゃダメなんでしょうか?」と発言、国民の猛反発と失笑をかった時と同じように、「思わず本音が出た」のでしょうか?

いずれにしても、今回の発言によって、日本の「国益」を担う責任も自覚もなく、外国に阿(おもね)ることで、自らのパフォーマンスとする同女史の政治家としての素性が、また一段と明確に明らかになったと言えるかと思われます。

いずれにしても、蓮舫氏には、是非とも「中国の侵略の歴史」も学んでいただきたいものです。

1949年にウイグルを侵略し、1951年にはチベットに侵攻して併呑し数百万人を虐殺、1979年にはベトナムを武力侵略。また1989年には中国天安門で学生による民主化運動を軍隊で強行鎮圧。

さらに1992年領海法を制定し、95年にフィリピンが領有してきたミスチーフ環礁を占領。そして、2009年の尖閣諸島中国漁船衝突事件では、日本が固有の領土である尖閣諸島の領有を主張し、日本に対して様々な報復措置を実施した中国――。

まず、日本の子供たちを批判する前に、日本の政治家として、こうした中国の「侵略の歴史」を勉強すべきです。そして、正しい歴史教育がなされていないのは、「反日教育一色」の某国であることを勉強すべきです

「民主党にしても、自民党にしても、日本の政治家への歴史に関する教育が足りなかった。日中戦争のころの歴史に関して、多くの政治家は自習という形をとっていた。そして日本という国を滅ぼした」と、後世の日本人から非難されないように……。

しかし、この蓮舫氏の問題発言を報道したのは中国のチャイナネット(中国網通)一社のみ。日本のマスコミは一体全体、何をしているのでしょうか?

(文責・矢内筆勝)

やない 筆勝

執筆者:やない 筆勝

幸福実現党総務会長兼出版局長

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