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電力の安定供給は不可欠――責任を伴う議論を

文/幸福実現党・滋賀県本部副代表荒川雅司

◆政府発表のエネルギーミックスは妥当か?

2014年来、経済産業省において2030年の我が国のエネルギー供給のあり方をめぐる「エネルギーミックス」(電源構成)について議論されてきましたが、ようやく一定の方向性が示されました。

議論の過程で、電源構成における再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力など)と原子力発電の比率を巡り、経済産業省と環境省の間で激しいつばぜり合いが交わされました。

また国民世論も大きく揺れましたが、最終的な落ち着きとして、原子力発電が20~22%、再生可能エネルギーが22~24%、火力発電が54~58%となりました。

ちなみに2013年の電源供給割合は、原子力発電が1%、火力発電が88.4%、水力発電が8.5%、水力発電を除く再生可能エネルギーは2.2%でしたが、現況は国内の原発は全て停止しており、原子力発電は0%、火力発電が90%以上と極端な偏りを示しています。

再生可能エネルギーの割合を増やすことで、エネルギー自給率が上がり、燃料の輸入リスクが下がることは国益につながります。

この狭い国土では施設設置に限界があるのと同時に安定供給という意味では大きな欠陥があり、約2割を再生可能エネルギーで賄うという案は現実的ではありません。

一方、原子力発電は、使用済み核燃料の問題を高速増殖炉の研究を進めることで解決できれば、温室効果ガスを出さないクリーンで巨大なエネルギーを安定供給できます。

そのためには放射線の正しい知識を普及し、感情による放射線アレルギーを克服すべきです。

電気は蓄えることができず、日々つくり続けなければならないものです。

どの発電技術にも一長一短があります。原発の安全性を高めることは当然ですが、自然環境に大きく左右される電源に頼りすぎるリスクもしっかりと踏まえて、国益にかなった理性的な判断が求められます。

◆国民生活と経済成長に電力の安定供給は不可欠

問題は、この議論が延々と続く中、「今」を生きる私たちが大変な不利益をこうむり、それに対する責任を負う人がいないという現実です。

安価な原発を全て停止したことで電気料金の値上げが著しく進みました。

原発停止前と比べると、一般家庭で約20%、企業で約30%もの値上げとなりました。電気料金だけは消費税率が20%、30%になったのと同じです。

今、物価上昇が進んでいるのは、円安、電気料金値上げによる原材料費の高騰が価格に反映しているに過ぎないインフレ(コストプッシュインフレ)が進んでいるだけで、需要が拡大する健全なインフレとは言えません。

消費税率アップとのダブルパンチで、家計と企業経営のダメージは大きく、アベノミクスで景気回復を実感する人は2割以下という現実は、政府は正面から受け止めるべきです。

政治は現実社会に責任を持たねばなりません。2030年の責任は取らないという前提での議論を延々続けるより、今の現実をどう好転させるかを十分に議論すべきであると感じる次第です。

荒川雅司

執筆者:荒川雅司

滋賀県本部副代表

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