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消費増税は延期ではなく撤回・減税を!

文/HS政経塾スタッフ 赤塚一範

◆消費増税延期でも、その根本姿勢は変わらない

消費増税を先送りのための衆院解散の可能性がささやかれています。

今月17日には、7~9月期のGDP速報値が発表され、18日には、11月4日、13日、17日と計4回開催される「今後の経済財政動向等についての点検会合」が終了します。

安倍首相の腹の中は正確には不明ですが、新聞等によると消費増税を一年半後の29年4月に延期する方向で動いているようです。

しかし「点検会合」にノミネートされている有識者たちの多くは増税に賛成しています。中でも、経済学者に多くの増税賛成の意見が目立つのが気になります。

これではたとえ今回、消費増税を延期したとしても根本の姿勢が変わらなければ、結局、同じことを繰り返してしまいます。

◆消費税増税推進派の意見の問題点

伊藤隆俊・政策研究大学院大学教授は、「点検会合」の中で次のように述べています。

「予定通り増税すべき「延期」は、新たな増税法案の立法化が必要であり、コストがかかる。予想より経済が落ち込んだ時は、補正予算や更なる追加緩和が可能だが、予想より成長が高くなったときに、すぐに増税というわけにはいかない。国債残高が大きくなると、後の世代にツケがどんどん回っていく。」

これは、増税と金融緩和の両立が可能とする見解ですが、増税はブレーキであり、金融緩和はアクセルです。同時に踏み込めば、危険なことになります。

また、同じく「点検会合」の中で加藤淳子・東大大学院教授の意見は次のようなものです。

「成熟した福祉国家は、税収を確保できる租税制度を早いタイミングで導入し、その財源を用いて歳出面で再分配を図ってきた。それに対し、導入が遅れた日本は、増税に対する強い反対の下で、財政再建や社会保障制度の安定が困難な国の典型である。日本を外から見て他の国と比較した場合、税率を引き上げるリスクより引き上げないリスクの方が高い。」

これは典型的な福祉国家論であり、政府による福祉は無条件で正しいということを前提にしています。

東京大学大学院教授・財政審会長・吉川洋氏も産経新聞の中で次のように語っています。

「定通り来年10月に10%に引き上げるべきだ。そもそも、消費増税の目的は社会保障制度を持続可能な制度にするためだ。高齢化で年金、医療、介護の給付金など支出が膨らみ、現役世代が払う保険料だけではまかなえない分を税金で支えてきた結果、日本は国内総生産(GDP)の2倍超の財政赤字を抱えることになった。大きな戦争が起こっていない平和な国でこの巨額の赤字は異常だ。放置すべきではない。」

これらの方々の共通項は「民間よりも政府の立場を重視する」「日本はもう成長できないと考える」点です。

◆日本が成長できない理由

日本が成長できない理由は至ってシンプルです。

それは「『投資』と『消費・浪費』の判断が出来ていないこと」「人間の本性を理解できないこと」などが挙げられます。

まず、前者の「投資」と「消費・浪費」の判断をなぜ政府はできないのでしょうか。これは一種の民主主義の弊害と言えるでしょう。

人々の国に依存する気持ちや欲望と政治家の自身の職業としての政治家を守りたいと言う利害が一致した時に、お互いに利益を供与し合う取引民主主義が発生します。

本来、民主主義とは、正しいルールとはどうあるべきか、を話し合う場であったものが、取引民主主義に堕してしまうと立法機関は単なる所得の再分配機関となってしまいます。

投資とは将来の発展に資する公共財の提供であったものが、個人の所得の保障に変化していくのです。

一方、「人間の本性を理解できない」とは、近代経済学の合理的経済人の仮定に代表される合理性の追求に問題があります。一定の合理性の仮定には意味があるとは思いますが、その背景の思想が問題です。

新古典派経済学に大きな影響力を与えた経済学者レオン・ワルラスは「天体の法則がすべて、万有引力に基づくように、社会の大法則が自明で超越した原理に基づくよう」「組織された競争は、純粋力学で、最初に摩擦のない機械を仮定するのと同様である」という信念に基づき、自然科学の方法論、主に数学や物理学を取り入れた経済学体系をつくりあげました。

この合理性の仮定の問題点を克服しようと、近年、人間の非合理性を考慮に入れる行動経済学が発展してきていますが、これも十分ではありません。なぜなら、唯物的な非合理性の追求だけでは人間の本性にたどり着くことができないからです。

◆世界を繁栄に導くためには

この両方を克服し世界を繁栄に導くのは、神や仏の存在を前提としつつ自由の大切さを謳っている幸福実現党だけです。

取引民主主義に対しては、ハイエクが提案するように議会制度改革をすることも大切ですが、「人間は何のために生きるのか」などの宗教的真理が背景になければなりません。

また、ワルラスの唯物的な世界観においても人間の神性に着目することが大切です。幸福の科学では人間には神の性質である「創造性」が宿っていると言われています。一人一人の「創造性」を発揮することで経済社会は発展していきます。

ワルラスと距離を置いた、同じく新古典派の経済学者アルフレッド・マーシャルは「人間性の向上と文明の進化は同時におこる」という興味深い指摘をしています。

現在、世界各国で積極的な金融緩和にも拘わらずなかなか停滞から抜け出せないという現象が起きていますが、これも人間性の向上ということを放棄し、ただ生きられれば良いという共産主義的な思想が広まった影響は大きいでしょう。

幸福実現党は宗教政党として日本の明るい未来を築いてまいります。

赤塚一範

執筆者:赤塚一範

HS政経塾スタッフ

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