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活断層――規制基準は合理的、合法的か?

文/滋賀県本部副代表 荒川 雅司

◆不可解な判断から読み取る原子力規制委員会の思惑

原子力規制委員会は、9月4日の会合で、日本原電の敦賀原発2号機の稼動について「次回に結論を出したい」と通告しました。

原子力規制委員会が活断層と認定したD-1破砕帯について、 原電は「活断層ではない」とする専門家の意見を提出しましたが、規制委員会は検討を打ち切りました。

このままでは、10月の会合で、最終的にD-1破砕帯を活断層と判断され、事実上の廃炉宣告となる評価書案が出るとみられます。

私は本年7月、日本原電敦賀発電所を見学させて頂き、副所長から規制委員会との一連のやりとりについて説明をお聞きしました。

原電側の主張する規制委員会の議事運営上の問題点は以下の通りです。

・原電側が第三者の専門家を招いて行ったD-1破砕帯の調査 結果を踏まえた説明を要望。期限内の連絡にも関わらず拒否された。

・中立的な立場の専門家の会合への同席を求めたが拒否された。

・議論を一方的に打ち切ったり、恣意的に誘導したりと、原電側の反論、説明の機会を奪った。

本来、十分な科学的、技術的な議論をすべき場面で、規制委員会の有識者自身が科学的な議論を拒否する態度を示していることは大きな問題です。

規制委員会側は、活断層かどうかの判断について、ホームページ上では「専門的知見に基づき、中立公正な立場で独立して実施している」としていますが、現実の運営は大きくかけ離れているようです。

IAEA(国際原子力委員会)は「活断層の評価はリスクで行うべき」という見解を示していますが、日本の規制委員会は「活断層あったらダメ」という乱暴な規制をしています。

このような規制委員会の政策は、国際的に見ると危惧されています。原子力の専門家は世界でつながっており、情報は共有され、安全の考えは世界で共通です。しかし、日本だけ、ルールにないことを感覚で、科学的根拠なく行われているのが現状です。

◆規制基準は合理的、合法的か?

「活断層の上に原発の重要施設を設置してはならない」という耐震設計指針ができたのは2013年ですが、敦賀原発2号機が建設されたのは1982年です。

また1978年にできた最初の耐震審査指針では、過去5万年以内に活動した断層と定義していました。さらには、原子炉建屋などの重要施設を活断層上に「建てることを想定していない」と書かれたのは2010年です。

つまり、過去5万年以内という基準をクリアして建てられた敦賀2号機に、過去12万年以内という新基準を遡及適用して再稼働を禁止し、廃炉に追い込もうとしています。

ちなみに日本においては、法の不遡及原則(実行時に合法であった行為を、事後に定めた法令によって遡って違法として処罰することを禁止すること)が採用されているはずです。

そもそも活断層とは、かつてそこで地震があったことを示す証であって、それが必ず次なる地震を引き起こすとは言えないものです。

また、活断層は日本全国至る所に存在します。その上で原発を建設できないということは、日本国内で原発は建てられないという結論になります。

上記のことから、原子力規制員会は「脱原発ありき」の意図を持っていることは否めません。民主党菅直人政権下における最大の悪巧みであると言えるでしょう。

しかし、一行政官の立場で一定のイデオロギーに基づいて国益を損ねる判断は許されません。世界に450基ある原発で、それを止めて安全基準の適合検査をしているのは、日本だけです。

思い込みや空気に支配されやすい日本の風潮を打破するためにも、原発に対する正しい知識を普及していくことが急務です。

荒川雅司

執筆者:荒川雅司

滋賀県本部副代表

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