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安倍首相、消費増税の影響を軽く見てはいけない

文/HS政経塾・スタッフ 赤塚一範

◆ダボスでの安倍首相の発言

安倍首相はスイスのダボスにて22日夕方、基調講演を行いました。

この基調講演で首相は「日本経済は長く続いたデフレから抜け出そうとしている」「賃金上昇で消費が伸びる」「財政健全化も進みつつある」とアベノミクスを積極的にPRしました。

また成長戦略においては「岩盤規制の改革」や「異次元の税制措置を断行し、さらなる法人税改革に着手する」と来年の4月から法人税を2.4%引き下げると法人税改革を国際公約しました。(23日、日経、毎日)

前日22日の日経新聞の社説では「日本は消費増税で財政を再建しつつ、効果的な成長戦略で景気回復の基盤を固める必要がある。(略)関係者の抵抗が強い「岩盤規制」の緩和や法人実効税率の引き下げにもっと踏み込むべきだ」と安倍首相の基調講演を応援するかのような記事が出ています。

◆消費増税の悪影響

IMFが21日に発表した世界経済の見通しでも、消費税を引き上げる日本については増税の影響は「一時的な財政刺激で補える」として従来予想より0.4ポイント高い1.7%を予想しています。

これらの見解に共通するものとしていえることは消費増税の悪影響を軽視しているということです。確かに、規制緩和や法人実効税率を引き下げることは長期的な成長を達成するうえで欠かせないものであることは事実です。

しかしここで大切なのは、この規制緩和や法人実効税率などの成長戦略は経済の供給側、サプライサイドに影響を与える政策であるということです。

経済はご存じの通り需要と供給の両面から見なくてはなりません。経済が好調なとき、需要が供給を上回っている状態の時は通常、インフレが発生します。

このような需要が物価を引っ張るタイプのインフレを、デマンドプルインフレと呼びます。モノを欲しがる人の方が売るモノよりも多い状態ですので価格が上昇するというメカニズムです。

このような好景気には規制緩和や法人税実効税率を引き下げるなどして、企業など経済の供給面を強化することが重要です。供給強化策によってモノ不足が解消され、インフレつまり価格上昇が収まります。

◆デフレ不景気時に必要なのは需要の強化

日本は長年、長期のデフレ不況に苦しんできました。日本銀行の黒田総裁による異次元の金融緩和によって円安、株高となり景気は以前よりは回復してきましたが、2013年度の消費者物価指数は前年度比で0.7ポイントと十分ではありません。

また、これは円安による輸入材価格の上昇の影響が大きい(1月3日産経)と言われており需要増加によるインフレではありません。デフレ不景気時においてスピード感をもってしなければならないことは、供給面の強化ではなく需要の強化です。

不況期は人々のマインドが停滞し、個人は財布のひもを締めるので消費が低迷し、企業は収益の改善が見通せないので投資を控えます。日本のGDPを需要面からみた場合、その構成要素は大体、6割が個人消費、2割が民間投資、2割が政府支出です。

消費税を増税するということは可処分所得が減少するということですから個人消費が落ち込みます。安倍首相は増税による悪影響を景気対策によって下支えするとしていますが、これは、GDPに占める民間部門は減少し、政府部門が増加することを意味するだけであってGDP自体が拡大するわけではありません。

首相が提言している規制緩和や法人税減税だけでは、消費増税による悪影響を減らすことはできません。今の日本に必要な政策とは、民間の需要を強化することです。

安倍首相政権下のままの経済政策を続けていっても日本経済は明るくなりません。消費増税は過去の自民党政権が行ってきた年金政策や減反などに代表される農業政策のように、負の遺産を残すことになるでしょう。

幸福実現党は来年度に行われる予定の10%への消費増税を何としても阻止してまいります。

赤塚一範

執筆者:赤塚一範

HS政経塾スタッフ

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